私が医者になろうと思ったのは12歳のとき。
中学に上がるための試験をみんなで受けに行ったときに根元先生という筋ジストロフィーを患ってた先生と出会った時に医者になろうと思ったんです。
先生は私が17の時に亡くなりましたが、医者になってこの人を治すというのが私の最大の夢でした。
でも、医学ってすごい!と私が心から思ったのは20歳のとき。
レーシックの手術を受けた時です。
それまで眼が悪くて、メガネをかけたりコンタクトレンズをしたり・・・
ずっと眼のいい人がうらやましかったんです。
駅の看板でレーシックの手術が書いてあって、今と違ってまだ海のものとも山のものとも知れない謎の手術でした。
若かったから怖いもの知らずで受けれたんです。
駅で看板を見て、ハタチになったら受けようと即決しました。
このわずか数秒の決断は今の自分にはとてもすることができないものです。
でも結果的に今の今まで、この歳になるまで20年近くもの長い間、視力を1.5で過ごすことが出来ました。
このあとのことは知らないけれど、今までの20年だけをみても受けて良かったなと思います。(私の場合は)
そして今ならなまじ知識や方法があるから事前にあれこれ考えてしまうだろうけど、その頃の私には何の迷いもなかった。
そんな自分がとってもうらやましく、まぶしく感じるんです。
おまけに手術後の「みえる世界」を味あわせてくれた。
医学の力をまじまじと感じました。
遠い遠い思い出。
その瞬間が、本当の意味で、私が医学と出会った時でした。