論外くんは大学3年。秋。
相続税を収め終え、少しは落ち着きを取り戻した論外家。
次男坊のおじと論外くん。
しかも実の父子よりも仲が良かった。
おじ 「お前は遺産問題に関わらないほうがいいよ」
論外 「うん。俺もおじさんがこうして嬉しそうにしてる畑とか売りたくないしな」
おじの家は広大な畑の一角にあった。
論外 「でも色々言われんだよな。あと継げとかなんとか」
おじ 「アユでも良かんべよ。血がつながってんだから」
論外 「血のつながりとかそんなこと、どうでもよくね?」
論外くんはこの時から(本当はお通夜の夜から)いずれ大問題が勃発するだろうなと予感した。