今日ご紹介する本は『マチネの終わりに』です。
マチネとは舞台用語で昼の部という意味。
つまりマチネの終わりとは光り輝く昼間が終わり、薄暗い夕方に入っていく時間ということになります。
調べるのは簡単ですが、あえて記憶で書くので細かい設定が間違っていたらすみません。
内容について(知りたくない人は飛ばしてください。)
40歳前後の男女の恋の物語。
そしてちょっとしたすれ違いから結ばれず、それぞれ別の人と結婚し、子供もできます。
最後は公園で再開するシーンで終わります。
言ってしまえばただそれだけのお話しです。
恋愛についての主観
でもおもうに恋愛なんて客観的にみたら、何の生産性もない、バカみたいなもの。
それが恋愛というものでしょう、たぶん。
恋って心が変と書くけど、まともじゃとてもやってられない(笑)
医学的にも脳内は異常事態になっているらしい・・・
この物語中はたしか女性の方は離婚されていて、子供とも定期的に会っていたと記憶しています。
実話をもとにしたお話しです。
それでもやっぱり誰かを好きになるというのは理屈ではどうにもならないもので、苦しくて、頭ではわかっていても人を狂おしくさせるものなんでしょう。
今の私には子供の顔が真っ先に浮かんじゃうけど、それですら抑えられない感情なのかな?
映画『海よりもまだ深く』の中で、樹木希林さんのセリフを思い出しました。
「(テレサテンの歌をバックに)海よりも深く人を愛したことある?」と息子に。
その後
「ないよ。普通の人には。」
「ないから生きていけんのよ。こんな日常を。」
私はこのシーンが大好きです。
この本に描かれている世界はもう私には届かない世界。
美しく、せつなく、そしてやっぱり(真似したいとは思わないけど)ちょっぴりうらやましい物語です。