私の旧姓は長妻といいます。
長妻家を出ると告げた時、父はこう言いました。
「この重大な局面で、どうして一人で決めるんだ」
思えば私は、大切な所ではいつだって一人で決めてきました。
話し合いのできない父子関係だったというのもあります(笑)
でも私は思うんです。
人生にはたった一人で断を下さなきゃならない場面があって、そこからは逃げちゃいけない。
そして、そうやって一人で決めた決断は、なにがあろうと、どんなことになろうと自分一人が背負わなきゃいけない。
私はそう教わってきたし、そういう生き方をしてきました。
仮にその結果、死ぬことになったとしても、それでかまわない。
本気でそう思っています。
おそらく私が命を扱う医師という仕事をしていることや、自分が過去に一歩間違えれば死んでいたほどに追い詰められたことが影響しているのかもしれません。
でもそういうふうに生きてきた自分の人生を、私は全然後悔していません。
これだけはいつか息子に伝えたいと思います。