医師となってあっという間に10年・・・
しかし、本当の意味で地域で活動する医師となったのは開業してからだと思います。
だからその意味ではこれで3年目。
最近になってようやく、医者になって良かったなと毎日思えるようになりました。
なぜそうなることができたのか、自分なりに考えるに、それは私が変わったからだと思うんです。
誰かのために本当に一生懸命にやれるようになったのは、開業してから
誤解を恐れずに言えば、勤務医だった頃の自分は『一人でも多く』患者を診たいという気持ちが足りなかったと思います。
開業医となった今は気持ち、つまりハートが違います。
『一人でも多く』
そう自然と思えるようになれたのは、開業した今は、自分を頼って患者さんは足を運んでいるんだと感じるからです。
大学病院にいたころは別に自分に会いに来てるわけじゃなくて、大学の看板ありきでしたから。
別の角度から見れば、勤務医では何人診ても給料は一緒。
でも開業医は仕事のかさ、つまり量でお金が変わるという面もあります。
「医者なのにお金の話するなよ」という意見は百も承知しています。
しかし、そういう面があるのは事実だと私は思います。
『何人診てもお金は一緒だけど、私は一人でも多く見るんだ』と思い続けられる医者は聖人君子だけです。長野県大町市の僻地勤務を通しての私の実感です。
結局のところ、誰かのために懸命にやることが自分の幸せ
人は結局のところ、誰かのために生きることこそが自分をも幸せになれる一番の方法だと思います。
自分の欲を満たすためじゃなく、自分以外の誰かのために懸命になって何かをやる。
そういう生き方を私はしたいと思っています。
少なくともこれから残りの人生は一日一日をそういうふうに使いたい。
そういう気持ちで、今日も一日診察をしようと思います。