
妹が送ってくれた本です。癌との闘病、そして社会復帰していく様子が実直に描かれています。
自分も大町病院で追いつめられ、母校でのリハビリをかねた2年間だったので心境が手に取るようにわかるんです。私も全く同じだったから・・・
『こういうことが、まだ病気からの復帰途上だった私には、こたえた。』
『健康な時には感じることのなかった精神的な痛みを感じるのだ。』
『それでも一生懸命なのは、病弱だからこそ、一層頑張りたかったからだ。』
『はりぼての自信を、本物の自信に変えるためには、結果を出すしかないと思っていた』
大町で自信をすっかりなくして戻ってきた2年前。
やることなすこと、すべてに自信がなく、怖くて怖くて仕方なかった。
はじめは後輩が心配そうな顔していたっけなぁ
とにかく1日も早く、また忙しくて戦場のような外来に戻りたかった。
患者さんや看護師さんが『先生の外来に来る人は元気になるね』と言われていた頃に戻りたくてしょうがなかった。
この2年間、本当に真剣に、懸命に、毎日毎日精一杯だった。
残念ながら、笑顔でお別れしていくことは叶わなかったけれど、それが独立していく自分にとって最高のはなむけとなった。
これからは、もう誰のせいでもないし、何の言い訳もない。
ただ、ただ、目の前の患者とその家族のことに一生懸命になることができる。
やっと俺もスタートラインに立った。