医者のものづくり

テーマ:油絵・盆栽・サックスでものづくりをして、患者さんにちょっとしたプレゼントができるようになりたい!

渡辺敏秋『いちばん大切なもの』

2019年4月。私はパリにいた。

オルセー美術館、ピカソ美術館、ルーブル美術館をくたくたになるまで回った。

ゴッホ、ピカソ、シャガール、レンブラント、ダヴィンチ・・・フェルメールを除けば見たかった絵はすべて見た気になっていた。あの絵を見るまでは。

 

平成から令和に変わる頃、私はパリから帰国し、1日おいて渡辺先生の自宅を訪ねた。

先生は奥様と一緒に私を迎えてくださり、この絵を見せてくれた。

 

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私のパリ旅行は何だったんだろうというくらいこの絵に感動した。動けなかった。

ゲルニカも傘さす女も、モナリザでさえも、こんな震えはこなかった。心が震えるとはこんなことを言うのだろうか?

 

先生はよく「良い絵というのは内面さえもにじみ出ているものだよ」というような意味のことをおっしゃっていた。私は、この絵を見て初めてその意味がわかった。

 

時代の節目の長い1週間、私は自分の限界まで絵をみつづけた。そうしてたどり着いたのはこの絵だった。

 

私はこの長い長い旅で、もう一度自分を信じてみようと思った。

自分の心に従うことは、簡単なようでいて時にとても難しい・・・

それでも、私は自分の心や直感を信じた生き方をしたいし、そう生きていくことを決めた。

 

先生に出会えたことに感謝をしながら、また1歩、前に進めた気がした。