医者のものづくり

テーマ:油絵・盆栽・サックスでものづくりをして、患者さんにちょっとしたプレゼントができるようになりたい!

ある医師の僕物語5

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香椎浜。

21才の私は、この海のそばの福岡寮で4浪目を過ごしていた。

九州に住んだのは後にも先にもこの1年だけだ。

 

あの頃の私は、はっきり言って病気だった。

ほとんど死にそうになりながら、1年を過ごした。

 

誰も知らない土地で1年を過ごすというのは当時の私にとっては大変な事だった。

今なら笑いながらやり通す自信があるが、当時はボロボロだった。

 

不安だらけの日々をこの海がなぐさめてくれた。

 

毎週、日曜日になると、この海に来てランニングをした。

泳げるはずのないこの海に入って泳いだ。

浅すぎて傷だらけになって帰った。

 

さびしすぎて、誰かに抱きしめてほしくて、海の木陰にある電柱を抱きしめて小一時間、じっとしていた。

 

妹よりも若い寮生は、やつはどっかおかしいと噂していた。

 

二度とは送りたくない1年だけど、あの1年があったから今があると思える。

人生って本当は、停滞しているような時期にこそ先に進んでるのかもしれないと思う。