『それから』には2つの意味を込めました。
1つは過去の作品『抱っこ』から半年たったという意味のそれから。
もう1つはフェルメールをみた以前と以後という意味のそれから。
フェルメールの「牛乳を注ぐ女」はそれほどのインパクトを私に与えてくれました。
私は妻と息子の3人家族ですが、家族を持ってから生きていくという意味がだいぶ変わったような気がします。
漱石の「それから」は金銭の苦労をしたことのないドラ息子が人妻をめとることで、親の金銭援助を失い、家族を養わなければならない状況に追い込まれて、ようやく本当の人生へと一歩踏み出す物語でしたが、私も似たようなものかもしれません。