あまつぶ内科

富山県富山市にある内科クリニックです。院長が『自分を表現したい』とはじめたブログです。

『論外くん』シーン22

論外くんは幼稚園児。

 

伝説の園児への第一歩は幼稚園脱走事件からはじまった。

 

入園式から論外くんは嫌な予感がしていた。

ひたすら泣きまくる入園式。今でも園に入っていく景色を鮮明に覚えている。

マキちゃんという幼なじみの女の子にひたすらしがみつき入園式を終えた。

論外くんは「ここには来たくない。いや来たらいけねぇ。」と思っていた。

 

次の初日はなんとか我慢した。お弁当事件もあったし。

2日目。

論外くんは午前中に入口のキジを見に行くふりをして教室を出るとそのまま逃走した。幼稚園では大騒動になったが、無事に先生たちに捕獲された。

 

それ以来、論外くんは完全にブラックリスト入りした。

しかし、論外くんは問題児ではあったが、妙に先生たちから好かれた。

 

卒園式では先生どもは「さみしい」と言って泣いた。

論外くんは(心の中で)「さみしいわけあるか」と言った。

 

「また遊びにおいで」と言われた。

論外くんは「うん。」と答えながら、「2度と来ねーよ」と思った。

 

そのあと何年かして、病院の待合室(プールの塩素アレルギーで鼻水の吸引に通っていた)で偶然、年長時の担任と会った。

 

論外くんは靴ひもが自分で結べるのを披露した。

先生は泣いて喜んだ。

 

ハモニカだか何かの音楽の練習で論外くんは追い込まれた。

日曜日の午後に必ずトイレで憂鬱で、ぐるぐるで、不安な数時間を送った。

その一番手の先生だった。

 

論外くんはその時、はじめて自分の成長を感じた。