あまつぶ内科

富山県富山市にある内科クリニックです。院長が『自分を表現したい』とはじめたブログです。

『論外くん』シーン8

論外くんは小学生。

それも入学したての一年生。春。

 

ある朝、論外くんは母親に学校に行く途中にゴミ捨てを頼まれました。

今とは時代が違い、その当時はゴミ袋は自由でした。

燃えるゴミをお願いされ、紙袋に入っていました。

 

論外くんは元気よく、それをもって学校に出発しました。

ところが、3歩あるくとすべてを忘れてしまう論外くん。

通学路中にあるゴミ置き場を通ることには全く覚えておりませんでした。

 

ゴミ袋を振りながら、ゴミ置き場を当然のように通り過ぎる論外くん。

ご機嫌に校門をくぐり抜け、校庭を闊歩する論外くん。

ところがもうすぐ昇降口というところで、自分の手にいつもとは違うものがあることに気づいた論外くん。

 

そこではじめて、軽快なリズムから、焦りとパニックに包まれた論外くんは、どうしようどうしようとうろうろしました。

 

そして迷った結果、その紙袋をなんと、校庭の隅に放置して、教室に入ることにしました。

帰りに持って帰るつもりだったのかもしれません。

おそらくそのままとんずらするつもりだったんじゃないかと思います。

 

1時間目の休み時間、なぜか教頭先生が教室に現れ、論外くんの名前を連呼しております。

ばれるはずがないと踏んでいた論外くんは、なぜばれたのか不思議に思いながら、教頭先生のもとへ。

教頭 「論外くん。朝、校庭に君の荷物(というかゴミ)があったよ。」

論外 「・・・」

教頭 「どうしたの?正直に言ってごらん。」

論外 「ママにゴミ出しを頼まれたんですけど、そのまま学校まで持ってきてしまいました」

教頭 「そっか。学校の焼却炉で捨ててあげるよ。」

論外 「どうして僕のだってわかったんですか?」

教頭 「はっはっは。紙袋の中に君の名前が入ったお道具箱が入ってたよ。幼稚園の時のものだろう」

論外 「・・・」

 

小学一年生の論外はそうやって、未知の世界へ踏み出していくのだった。つづく