医師ときどき画家。

富山県富山市にある内科クリニックの開業医かつ画家。医療とアートを地域に届けたい!

35歳問題について。ちょっと考えてみる。

35歳問題というのが存在するらしい。

村上春樹さんの小説を読んでいたらこんな一節に出会いました。

 

『僕は考えた。ひとの生は、なしとげたこと、これからなしとげられるであろうことだけではなく、決してなしとげなかったが、しかしなしとげられる《かもしれなかった》ことにも満たされている。生きるとは、なしとげられるはずのことの一部をなしとげたことに変え、残りをすべてなしとげられる《かもしれなかった》ことに押し込める、そんな作業の連続だ。ある職業を選べば、別の職業を選べないし、あるひとと結婚すれば別のひととは結婚できない。直接法過去と直接法未来の総和は確実に減少し、仮定法過去の総和がそのぶん増えていく。
 そして、その両者のバランスは、おそらく三十五歳あたりで逆転するのだ。その閾値を超えると、ひとは過去の記憶や未来の夢よりも、むしろ仮定法の亡霊に悩まされるようになる。それはそもそもがこの世界に存在しない、蜃気楼のようなものだから、いくら現実に成功を収めて安定した未来を手にしたとしても、決して憂鬱から解放されることがない。』 ~回転木馬のデッド・ヒートのプールサイドより~

 

失われた時間。選ばなかった選択肢。もう帰ってはこない何か。

人生にもしはないと言われるが、歴史にifを問い続けよと教えてくれた先生もあった。

 

何度でも人生はやり直せるなんて綺麗ごとを言うつもりはないけれど、やり直しや書き直し、違うことへのチャレンジや未知への冒険を私は忘れたくないです。

 

歳を取れば守るべきものもいろいろできてしまい、どうしても守りに入りますよね。

でもそれを上回る情熱を自分の中に感じていたいです。

 

計算通りの予定通り、安泰な道をお決まり通りこなしていく人生は嫌なんです。

何にワクワクするかは人それぞれだろうけど、少なくとも私はこの歳で(今の私は36歳)老後の年金の話とかには全くワクワクしません。

 

それよりももっと新しい出会いとか、未知との遭遇とか、言ってみたい場所とか、何かを生み出すこととか、少しでもそっちに向かいたいです。

 

どうせ人生は一度きり。思いっきり生きたいです。